お祖母ちゃんが入院なさったのはponoが生まれるずっと前。
足が不自由になり入院をなさったのだそうですが
寝たきりの状態になり痴呆もかなり進んでいました。
ですので、義父や主人の顔を見ても虚ろな目を向けるだけで
ほとんど反応を示さない状態でした。
その日は、96回目のお祖母ちゃんのお誕生日でした。
娘は確か11ヶ月だったと思います。
せめてものお祝いにとケーキを持って義父と主人と一緒に
娘にとっては初めてのお見舞い。
その日も義父と主人が何度も声を掛けたのですが
胸の上で握られた手は動く気配すらなく
じっと二人の顔を虚ろな目で見つめるだけでした。
それでも、娘をどうしても見て欲しかった私が
娘を抱き上げ話しかけた所・・・
胸の上で握られた手が娘に触れようとそっと伸びて娘の手に触れたのです。
声にはならないけれど、「レロ、レロ〜」と舌を動かし
微かに笑みを浮かべてあやしているつもりの様子。
それを見ていたいつもお世話をしてくださる看護婦さんが
「あらっ!わかってるのね!
赤ちゃんにはやっぱり不思議な力があるのねぇ!」
と、とてもうれしそうにおっしゃって・・・
帰るときには、いつもは無反応の私の「お婆ちゃん、また来るね!」
の声にも顔を向け軽く頷いてくれたように見えました。
その後、看護婦さんからは
「最近、返事をしてくれるようにまでなったのよ」
とうれしい連絡もあったりして、もしかしたら・・・と
期待は膨らんだのですが
その年の末、風邪を引いたのが原因で肺炎を併発し
年が明けるのを待っていたかのように
翌年の元日に静かに息をひきとったのです。
明治女の厳しさと優しさと粋を持った素敵な方でした。
娘には、いつか、このお祖母ちゃんとのこの出来事を
話してあげるつもりです。
主人が胸がいっぱいになっていつシャッターを押したのかさえも
わからなかったと言う、二人のベストショットと一緒に・・・
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